2015年1月9日金曜日

イエメン・マタリ・アルソワイド 新着豆ご紹介その②

前記事で引用した商社資料の、「他のナチュラルコーヒーの生産地より高い水分量までしか乾燥させない」の記述に少し興味を持ちました。

どうして他の生産地より高い水分量なんだろう?

何か特別な理由でもあるのかと思って資料を読んでみると、イエメンではキシル(Kshir)を飲用するのでコーヒーは高めの水分量で保管されるのだそうです。

キシル(Qishr、アラビア語:قشر)は、香辛料の効いたコーヒーの殻、ショウガ、そしてしばしばシナモンを使って作られるイエメンの暖かい飲み物である。安価なことから、イエメンではコーヒーの代用として飲まれる。(Wiki調べ)

果肉は取り除き、中の種子だけを利用するのが今ではコーヒーの常識だけど、焙煎という技術が発明されるまで、コーヒーの実をそのまま煮出して飲用するやり方が長く続いていました。

キシルは、そんな大昔のマナーを今に伝えるタイムマシーンみたいな飲み物とも言えます。

イエメンのコーヒー事情を伝える資料をいくつか読むと、豆は輸出用に全部回してしまうから地元の人達はコーヒーの殻を煎じて飲むんだ、なんて書いてあります。

事実そうなのかも知れませんが、コーヒー発祥の地としてのプライドが太古の習慣をかたくなに守っている、などとちょっと思い入れたっぷりに妄想してみたい気分です。