2013年8月20日火曜日

コーヒーセレモニー

おうちで焙煎のお話をしましたが、エチオピアではそれはとても大切な儀式です。

その儀式は、現地の言葉で「アボル・ブンナ」と言います。冠婚葬祭や大事なお客様をもてなす際に行われます。

香を焚き場を清め、炭火をおこして生豆をフライパンで煎るところから「アボル・ブンナ」はスタートします。そうして煎り上がった豆を木の臼で砕きポットのお湯に入れ数分間煮出します。豆がポットの下に沈むのを待ってコーヒーの上澄みをカップに注ぎ来客者に振舞います。

豆を煎るところからコーヒーを飲み終えるまでの2時間ほどが「アボル・ブンナ」タイムです。焙煎中やコーヒーを淹れるあいだ来客者は待ちぼうけです。このセレモニーの肝はその待ち時間にあるといってよいでしょう。

コーヒーが煎り上がる様子を眺め、香ばしい香り豆のはじける音を楽しむ。そして、待ってる間にえんどう豆や自家製パンをつまみながらのおしゃべり、五感総動員で楽しむのが「アボル・ブンナ」です。

ただコーヒーを飲むというだけでなく、そこに文化的精神的なものが加味されている点は、日本の茶道に通じるところ大だと思います。