2013年12月12日木曜日

ブルーマウンテンのお話 その二

そもそも、どんな味なの?

極めてごもっともなご質問です。

誰もが知ってるブルーマウンテン、でも意外にその味を理解している人は少ない、これが僕の実感です。知名度抜群ですが、お値段も抜群ですからしょうがないところでしょう。

ウチでブルマンが予約販売なのも、日頃買われる方が少ないという事情からですし、喫茶店で注文するにも千円オーバーがざらですから、「いつものコーヒー」にはいささかキビシイですね。

コーヒーの味覚は産地や農園によって変わりますが、そこに我々焙煎人の焼き加減というさじが加わって最終的な個性が決定します。
ですから同じ豆でも焙煎人の好みで、味が大きく変わることもございます。
同じ銘柄なのに、A店では酸味を感じてB店では苦味を感じるなんてこともあり得ます。

ところがブルーマウンテンに関しては、ほぼ焙煎人の意見は珍しく一致しております。
浅煎りから中煎りまでで煎り止めするケースがほとんど、黒々と煎ったブルマンにはあまりお目にかかれません。

その理由はというと、ブルマンが極めてバランスよく整った素材であるということです。
甘み、酸味、苦み、そしてコクが絶妙に絡み合い、クセのないやわらかい味わいを持つ豆ですから、焙煎も出しゃばらずにそのままを表現する煎り方になるのです。

というわけでブルマンの味わいは、素直、繊細、まろやか、といった言葉がお似合いのコーヒーということになります。

がっしりというよりきわめて穏やかなコーヒーです。できればお砂糖ミルクを加えずにゆっくり味わってほしいというのが僕の希望です。

ブルマン、手作業で選別の図